使い方ガイド / 第8章

実績資金繰り表をつくる

初回の仕訳取得と科目設定から、毎月の更新、残高照合、差額の直し方、Excel出力まで。

この順番で進めてください

  1. まず知っておくこと
  2. 画面をひらく
  3. 期首月から仕訳を取得する
  4. 科目を資金繰りの行へ対応づける
  5. 表を表示して読み取る
  6. 月ごとの残高を照合する
  7. 金額の内訳を確認する
  8. 差額が出たときに直す
  9. 期間・部門・表示項目を変える
  10. Excelに出す
  11. 毎月の作業手順
  12. うまくいかないとき
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この章の進め方: AIに任せられるところは任せてください。資金繰りは科目の数が多く、手作業で組むと相当な時間がかかります。科目の対応づけは「AIマッピング起案」(第03節)、差額が出たら「AI差異分析」(第07節)を基本にしてください。どちらも送信前に何を送るかが表示され、提案は確認してから適用します。
なお資金繰りのAIは、接続設定で選んでいる方法でそのまま動きます。ChatGPTサブスクリプション接続では1回の起案・分析に数分かかります。APIキー接続では数十秒で終わります。
それでも最初の設定さえ越えてしまえば、毎月は「仕訳を取得して表示を押すだけ」です。マッピングは会社ごとに保存され、翌月から作り直す必要はありません。時間がかかるのは最初の一度だけです。
完成した実績資金繰り表。12か月ぶんの前月繰越金・経常収支・翌月繰越金が並び、各月に照合済みの記号が付いている
この章を終えると、こうなります。利益ではなく「現金・預金の増減」を月ごとに追う表です

実績資金繰り表は、マネーフォワード クラウド会計に登録済みの仕訳を、現金売上・売掛金回収・仕入支払・人件費・借入などの資金の動きに並べ替えた表です。利益ではなく、「現金・預金が実際にどう増減したか」を月ごとに確認します。

最初に一度だけ科目の対応づけを行えば、翌月からは仕訳を取り直して「表示」を押すだけで更新できます。

最重要: 初回の仕訳取得は、必ず会計期間の期首月から行ってください。途中月から取得すると、期首残高を表す開始仕訳が取れず、「前月繰越金」が不足します。画面上の0は、正しい残高を意味するとは限りません。
保存されていない金額を、PDFやExcelで勝手に補う機能ではありません。この画面は取得済み仕訳と設定から表を計算します。Excel出力は、画面で現在表示している期間・範囲をもとに行います。
01
  1. 画面上部の事業所名を確認します。別の事業所が表示されていたら、事業所名を押して切り替えます。
  2. 左のメニューから「資金」を押します。
  3. 初めて使う場合は「資金繰り表をはじめる」という案内が表示されます。案内に沿って次の「期間設定」へ進みます。
資金繰り表を初めてひらいた画面。期間、範囲、表示項目、MFから仕訳を取得する操作が並ぶ
初回画面。まず事業所と期間を確認し、仕訳を取得します
ここを確認: 左メニューの「資金」が選ばれ、見出しが「実績資金繰り表」になっていれば正しい画面です。
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初回だけでなく、取り直すときも同じ考え方です。たとえば会計期間が2025年7月〜2026年6月なら、開始月を2025年7月にします。

  1. 「期間」の左側(開始月)を、会計期間の期首月にします。
  2. 右側(終了月)を、確認したい最後の月にします。初回は会計期間の末月までにすると全体を確認しやすくなります。
  3. 「範囲」は、まず「全社」のままにします。MF残高との照合は全社で行うためです。
  4. MFから仕訳を取得」を押します。
  5. 取得が終わるまでアプリを閉じずに待ちます。終了後、「取得済み仕訳 ○件(会計期間 ○件)」が表示されたことを確認します。
開始月が期首より後の場合、画面にも警告が出ます。そのまま進めず、開始月を期首月へ戻してください。複数年度にまたがる期間は、アプリが会計期間ごとに分けて取得します。

「要再認証」と出て取得できない場合

画面上部の「接続設定」をひらき、マネーフォワードへ再接続してから戻ります。再接続後に、もう一度「MFから仕訳を取得」を押してください。

期間の開始月を会計期間の期首月に設定し、範囲を全社にした状態。まだ仕訳は取得していない
開始月は必ず会計期間の期首月にします。ここを間違えると前月繰越金が足りなくなります
仕訳の取得が終わり、取得済み仕訳の件数と会計期間の件数が表示された状態
取得が終わると件数が出ます。会計期間の数も確認してください
03

「どの勘定科目を、資金繰り表のどの行へ入れるか」を決めます。ここが初回設定の中心で、資金繰りの作業で一番大変なところです。会社によっては科目が100を超えます。

基本は「AIマッピング起案」を使ってください。ひとつずつ手で選ぶと相当な時間がかかります。AIに起案させれば大半が自動で埋まり、あとは確認して直すだけになります。資金繰りに精通した方なら手動でも設定できますが、まずAIに起案させることをおすすめします
マッピングが未設定の科目が残っている状態。未設定の科目数が赤く表示されている
未設定の科目が残っていると表を表示できません。ここから設定します

まずAIに起案させる

  1. 設定(マッピング・資金科目)」を押します。
  2. AIマッピング起案」を押します。送信前に確認画面が出るので、何を送るかを確認して開始します。
  3. 起案には、ChatGPTサブスクリプション接続で数分、APIキー接続で数十秒かかります。画面を閉じずにお待ちください。この待ち時間が必要なのは最初の設定のときだけです。
  4. 案が出たら内容を確認します。その場では保存されません。「すべて受け入れ」か、科目ごとに受け入れます。
  5. 最後に「変更を保存」を押します。編集しただけでは確定しません。
科目マッピングの編集画面。勘定科目ごとに資金繰り表のどの行へ入れるかを選ぶ
AIの案を確認して直します。手動で選び直すこともできます

AIへ科目名などを送りたくない場合は、AIを使わず手動でも設定できます。その場合は科目名の右にある「資金繰り表の行」を上から順に選びます(例: 売上高→現金売上、売掛金→売掛金回収、給与手当→給与・賞与)。補助科目に別の扱いが必要なときだけ、補助科目側で選び直します。何も選ばなければ科目の設定を引き継ぎます。

科目の「性質」を決める

行への対応づけとは別に、その科目を資金繰り上どう扱うかを選べます。4種類あります。

性質は設定画面の科目一覧から変更できます。迷ったら「通常科目」のままで構いません。現金・預金だけは「資金」にする必要がありますが、AIマッピング起案が候補を出すので、それを確認する形で足ります。

部門別の資金繰りを見る会社で、部門間の振替に専用の科目を使っている場合は、その科目を「部門間資金移動の橋」にしてください。設定しないと、部門ごとの表に実体のない入出金が並びます。
すべての科目が設定済みになった状態。現金と普通預金は資金科目のためマッピング不要と表示されている
すべて設定できました。現金・普通預金は資金そのものなので対応づけは要りません
ここさえ越えれば、毎月がラクになります。マッピングは会社ごとに保存され、翌月からは仕訳を取り直して「表示」を押すだけです。時間がかかるのは最初の一度だけだと思って進めてください。
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  1. 設定画面を閉じます。
  2. 期間と範囲が正しいことを確認します。
  3. 表示」を押します。
  4. 表の上から「前月繰越金」→「経常収支」→「経常外収支」→「財務収支」→「翌月繰越金」の順に確認します。
12か月分の実績資金繰り表。前月繰越金、経常収支、各月の照合記号が並ぶ
12か月の表示例。横が月、縦が資金の入出金項目です
見る場所意味
前月繰越金その月の開始時点の現金・預金残高です。2か月目以降は、原則として前月の翌月繰越金につながります。
Ⅰ.経常収支売上回収、仕入支払、人件費、一般経費など、通常の事業活動による入出金です。
Ⅱ.経常外収支設備取得・売却など、通常の営業活動以外の入出金です。
Ⅲ.財務収支借入、返済、増資など、資金調達と返済による入出金です。
翌月繰越金その月の最後に残る現金・預金です。MFの資金残高と照合します。
「表示項目」が「値がある項目のみ」の場合、全期間で0の行は画面から省かれます。科目が消えたわけではありません。「全様式」に切り替えると確認できます。
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月見出しの横にある記号で、MFの残高とアプリの計算結果を確認できます。記号を押すと、詳しい数字が出ます。

記号状態次にすること
MFの資金残高と一致その月は照合済みです。次の月へ進みます。
MF残高と、入出金から計算した残高が不一致記号を押し、第07節の順番で原因を確認します。
未照合MF残高データを取得できていない仕訳を期首月から取り直します。差額0と同じ意味ではありません。
その月の仕訳を未取得対象月を含めて「MFから仕訳を取得」します。
!計算または照合ができない詳細の理由を確認し、解決しなければ不具合報告を送ります。
  1. 確認したい月の見出し(例「2025-07 ✓」)を押します。
  2. 「MFの資金残高」と「アプリ上の残高」を見比べます。
  3. 「MFとの差異」が0であることを確認します。
  4. 「恒等式差異」と「未解決の仕訳」も0であることを確認します。
  5. 確認後、「閉じる」を押します。
月見出しを押して表示した資金残高照合。MF残高、アプリ上の残高、差異、未解決仕訳を確認できる
月見出しを押すと、MF残高・アプリ残高・差異・未解決件数を確認できます
部門別表示ではMF残高との照合は行いません。まず「全社」で残高を一致させ、そのあと部門別の内訳を確認してください。
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金額が大きい、前月と違う、分類に違和感があるときは、表の数字を直接押します。

  1. 確認したい月と行が交わる金額セルを押します。
  2. 右側に、その金額を作った仕訳が日付順で表示されます。必要なら「金額順」へ切り替えます。
  3. 日付、仕訳番号、科目・補助科目、摘要、収入・支出を確認します。
  4. 仕訳番号を押すと、マネーフォワードの該当仕訳をひらけます。事業所が正しいことを確認してから参照します。
使い分け: 表全体の科目分類を直すなら「設定(マッピング・資金科目)」、1件の仕訳だけ例外的に直すなら、内訳の「個別設定」を使います。
資金繰り表の金額セルを選び、右側にその金額を作った仕訳の明細が日付順で並んでいる
金額を押すと、その数字を作った仕訳が出ます。仕訳番号からマネーフォワードへ飛べます
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月見出しに ⚠ が付いたら、その月はMFの資金残高と、入出金から計算した残高が合っていません。

まず「AI差異分析」を使ってください。差額の原因を人手で追うのは大変です。AIは未解決の仕訳と差額を調べ、マッピングの修正案その仕訳だけの個別設定案を作ります。珍しい取引はマッピングでは扱いきれませんが、ここで個別に対応できます。マッピングの漏れも、ここで見つけて直せます。

AI差異分析の使い方

  1. 差額が出ている月の月見出しを押します
  2. AI差異分析…」を選びます。
  3. 送信前に確認画面が出ます。何を送るか(科目名・借貸方向・出現件数など)と、何を送らないか(摘要・取引先・仕訳番号)が示されます。
  4. 分析には、ChatGPTサブスクリプション接続で1分ほど、APIキー接続で数秒かかります。
  5. 提案が出たら内容を読んでから適用します。マッピングの修正案なら以後ずっと効き、個別設定案ならその仕訳だけの例外になります。
月の照合記号が差異を示し、MF残高と入出金から計算した残高の差が表示されている
差異が出た月。月見出しを押すと、差額とAI差異分析の入口が出ます
AI差異分析の開始前に表示される確認画面。何を送り何を送らないか、元に戻せるかが説明されている
送信前に、何を送るかが示されます。摘要・取引先・仕訳番号は送りません
提案を読まずに一括適用しないでください。適用の履歴は残りますが、自動では取り消せません。戻すときは設定を保存し直すか、「個別設定の管理」で変更・無効化します。

AIを使わずに自分で切り分けるとき

外部AIへ送りたくない場合や、原因の見当が付いている場合は、次の順に確認します。大きい原因から順に見るのが早道です。

  1. 取得期間 — 開始月が期首月か、問題の月まで取得済みか。違っていれば期首月から取り直します。
  2. MF側 — 問題の月の仕訳や開始残高がMFで正しいか。直したらアプリで取り直します。
  3. 未設定科目 — 「未設定 ○科目」が出ていれば設定します。
  4. 金額の内訳 — 違う行へ入っている仕訳がないか、金額セルを押して確認します。
  5. 継続して同じ扱いなら — マッピングを直して保存します。
  6. その仕訳だけの例外なら — 個別設定を使います。
明細から個別設定を開いた状態。対象の行と理由を確認してから適用する
個別設定は「この1仕訳だけ」の例外です。理由を残してから適用します

直したら、もう一度「表示」を押します。再計算後、月見出しの記号が ✓ になったか確認してください。

08
  1. 期間、範囲(全社・各部門・部門未設定)、表示項目のいずれかを変更します。
  2. 期間または範囲を変えた場合は、必ず「表示」を押します。
  3. 更新後の表で、左上の範囲名と横軸の月を確認します。
「表示」を押す前の表は参考表示です。条件変更後は「表示」で更新するまで、明細確認とExcel出力ができません。古い条件の数字を誤って出力しないための安全措置です。

表示項目の違い

この切替は画面だけに効きます。Excelは常に標準の資金繰り様式で作られます。

範囲を部門に切り替えて表示した資金繰り表。左上に部門名が出ている
部門で絞れます。全社→部門→部門未設定の順に見ると漏れに気づけます
期間を変えた直後の参考表示。Excel出力ボタンが押せない状態になっている
条件を変えた直後は参考表示です。「表示」を押すまで明細もExcelも使えません
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  1. 出したい「期間」と「範囲」を選びます。
  2. 必ず「表示」を押し、画面の期間・範囲が更新されたことを確認します。
  3. 各月の照合記号を確認します。未照合や⚠がある場合は、理由を把握してから出力します。
  4. Excel出力」を押し、保存先とファイル名を指定します。
  5. 保存したExcelを開き、対象事業所・期間・範囲が正しいか確認します。

保存すると、画面に「Excelを保存しました(資金繰り表_会社名_期間.xlsx)」と表示されます。この表示が出るまで保存は完了していません。

1か月だけを表示して出力すると、ゼロ行を除いた単月様式になります。複数月なら月次推移として出力されます。Excelには資金内訳と計算式も含まれます。
10
  1. 正しい事業所で「資金」をひらきます。
  2. 開始月は期首月のまま、終了月を新しい月まで伸ばします。
  3. 「MFから仕訳を取得」を押します。
  4. 未設定科目が増えていれば設定し、「表示」を押します。
  5. 新しい月の記号と主な増減を確認し、必要ならExcelへ出します。
月次確認の目安: ①新しい月が✓、②前月繰越金と前月の翌月繰越金がつながる、③大きな入出金の内訳を説明できる。この3点が揃えば、次の報告作業へ進めます。
終了月を伸ばして再取得し、新しい月が表と照合記号に増えた状態
翌月からは終了月を伸ばして取り直すだけ。新しい月が増えます
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前月繰越金が0、または少なすぎる

開始月が会計期間の期首月より後になっていないか確認します。期首月へ戻し、「MFから仕訳を取得」で取り直してください。

「表示」を押せない

先に仕訳取得とマッピング設定が必要です。画面の取得状況と「未設定 ○科目」を確認してください。

「Excel出力」を押せない

期間または範囲を変えたあと、まだ表が更新されていません。「表示」を押してから再度お試しください。

あるはずの行が画面にない

「表示項目」が「値がある項目のみ」なら、「全様式」に切り替えます。それでも無ければ、設定画面で科目の対応先を確認します。

部門別の合計に違和感がある

まず全社表示がMF残高と一致するか確認します。そのあと「部門未設定」も確認してください。部門間の資金移動は、全社と部門で見え方が異なることがあります。

個別設定を間違えた

「設定(マッピング・資金科目)」をひらき、「個別設定の管理」から変更または無効化します。理由と適用履歴は監査記録に残ります。

それでも解決しない

画面右上の「不具合・要望」から、事業所名、対象月、表示された記号、操作手順をお知らせください。口座番号や不要な取引先名が写らないように確認したうえで、画面のスクリーンショットがあると原因を特定しやすくなります。

未照合の月と、仕訳が未取得の月が並んだ表。記号が異なる
「未照合」は差額0ではなく、MF残高をまだ取れていない状態です。「—」は仕訳が未取得です

この章のまとめ

  1. 正しい事業所で「資金」をひらく
  2. 会計期間の期首月から仕訳を取得する
  3. 未設定科目を資金繰り表の行へ対応づけ、保存する
  4. 「表示」を押し、前月繰越金から翌月繰越金まで確認する
  5. 月見出しの✓・⚠・未照合・—・!を確認する
  6. 気になる金額はセルを押し、元の仕訳までたどる
  7. 差額は「取得期間→MF側→マッピング→個別設定」の順で直す
  8. 期間・範囲を変えたら、Excel出力前に必ず「表示」を押す